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投稿日:2025年12月5日/更新日:2025年12月9日
目次
株式会社Heldでは、アメリカ・ラスベガスにて健康食品・サプリメント市場の現地視察を行いました。
本シリーズでは、全3回にわたり、展示会・量販店・ライフスタイル型小売を通して見えてきた、アメリカ市場の現在地をレポートとしてお届けします。
今回は2回目、GNC・Walmart・CVSの視察をお届けします。
GNCはアメリカ国内に5,900店舗を展開する大手サプリメント専門チェーンだ。
店内の棚を見渡すと、まず目につくのは自社ブランド(PB)が中心となった売場構成で、その比率は7割に達する。
プロテイン関連商品が売場の中心を占め、筋トレ系プロテインの棚が広く確保されていた。
パッケージデザインはスポーツ志向で統一され、視覚的に“効きそう”と感じさせる構成がなされている。
また、Before/Afterの写真を掲示したポップなど、効果を視覚化するアメリカらしい演出が見受けられ、専門店としての世界観が明確に作られていた。

CVSは全米に9,000店舗以上を展開するドラッグストアで、食品・惣菜・医薬品・サプリメントが同じ動線上に並んでいる点が特徴だ。
24時間営業の店舗も多く、日常生活の中でサプリメントを“ついで買い”できる環境が整っている。
売場の一部には鍵付き棚が設置されており、サプリメントでも一定の価格帯を超える商品は防犯対策として施錠されていた。
さらに、ナチュラル系エナジードリンクの人気も高く、女性でも手に取りやすいデザインが多い。
電解質ドリンクも目立つ位置に並び、アメリカでは“機能性飲料=日常的に摂取するもの”として定着している様子が感じられた。

Walmartはアメリカ最大のディスカウントストアであり、サプリメント売場も圧倒的なボリュームを誇る。
店内には調剤薬局が併設され、食品から医薬品、サプリメントまでをワンストップで購入できる。
こちらの店舗でもサプリメントは鍵付き陳列が多く、スタッフを呼び出して商品を取り出してもらう構造になっていた。置き換え食品の品揃えも豊富で、とくに「アトキンス」系の低糖質ダイエット商品が充実していた。
さらに、プロテインバー、大豆由来のスナック、電解質ドリンクなどの“機能性食品”が一般食品売場の中に自然に入り込んでおり、サプリメントと食品の境界が日本以上に曖昧になっている。

3つの業態を比較すると、アメリカ市場ではサプリメントが「目的別に選ぶ」形で生活に根付いていることが明確にわかる。
GNCは専門店として目的特化型の深いラインナップを展開し、CVSは生活動線の中にサプリを溶け込ませ、Walmartは巨大な生活圏の中で幅広い価格帯と商品特性を提供する。
それぞれの売場は、狙う顧客像と生活シーンを前提に最適化されており、売場そのものが“市場の成熟度”を物語っている。
展示会で見た素材トレンドと店舗視察で見た売場のリアリティを合わせて考えると、アメリカ市場は原料開発と生活浸透の両面で成長し続けていることがはっきりと確認できた。