コラム

Column

投稿日:2026年4月1日/更新日:2026年3月19日


女性の健康と活躍のサポート:SRHRの視点から考えるウェルビーイング社会
PMS

はじめに:SRHRと女性の活躍推進のつながり

SRHR(性と生殖に関する健康と権利)は、世界保健機関(WHO)が掲げる「健康の権利」の重要な柱です。
月経、妊娠・出産、更年期といったライフステージに伴う健康課題に加え、性教育、職場環境、社会的支援なども含めて、女性が自らの体と人生を選択できる権利を尊重する考え方です。
日本では「女性の活躍推進法」や「健康経営」の文脈でも、SRHRの理念を取り入れた取り組みが注目されつつあります。
女性が健康的に、安心して社会で力を発揮できることは、個人の幸福だけでなく、経済・社会全体の持続的成長にも寄与します。

 

日本社会における現状と課題

■ライフステージごとの健康課題

•月経関連の不調(PMS、月経困難症)による労働損失は年間4,000億円超と推計されています。
•妊娠・出産期のサポート不足:復職支援や両立支援制度は整備が進む一方、現場では利用しにくいという声もあります。
•更年期症状に対する理解不足がキャリア形成の障壁になるケースもあります。

 

■社会的・心理的要因

•職場における性別役割意識
•性に関する教育・情報アクセスの不足
•医療機関へのアクセスや相談のしにくさ
これらは、SRHRの観点からみると「身体的健康」「心理的健康」「社会的健康」のいずれにも関わる複合的な課題です。

 

企業・自治体における取り組み事例

■企業の健康経営と女性支援

•資生堂:女性の健康課題に関する社内教育やオンライン相談窓口を設置しています。
•パナソニック:「Femtech推進プロジェクト」として月経トラッキングやウェアラブルデバイスの導入を進めています。
•神奈川県のME-BYO事業:未病(ME-BYO)の概念に基づき、女性のライフステージ別健康サポートプログラムを展開しています。

 

■自治体・行政の動き

•内閣府「女性の健康の包括的支援に関する基本方針(2023年)」では、SRHRの概念を明確化し、性教育の充実とフェムテック推進を明記しています。
•厚生労働省による「女性の健康週間」や「更年期サポート指針」なども展開中です。

 

フェムテックとサプリメントの活用

フェムテック(Femtech:Female + Technology)は、女性の健康課題をテクノロジーで解決する分野として急成長中です。
アプリ、ウェアラブル機器、ホルモン検査キットなどが登場し、自己管理を支援しています。
さらに、栄養・サプリメントの視点も重要です。

 

●代表的なサプリメント活用例

健康課題有効成分・食品因子主な機能・効果
月経前症候群(PMS)ビタミンB6、マグネシウム、チェストベリー神経伝達物質バランスを整える
妊娠・授乳期葉酸、鉄、DHA/EPA胎児の発達、母体の疲労軽減
更年期イソフラボン、ブラックコホシュエストロゲン様作用で症状緩和
メンタル・ストレスGABA、ロディオラ自律神経バランスのサポート

未来に向けて:社会全体で支える健康と活躍

SRHRの理念に基づく社会は、単に「女性支援」にとどまらず、すべての人が生きやすい社会を目指すものです。
教育現場では包括的性教育を、企業では柔軟な働き方や健康支援を、行政ではフェムテックと政策の連携を——。
こうした多層的なアプローチによって、女性が心身ともに健康に「自分らしく」生きる社会が実現します。

 

まとめ

•SRHRは「女性の健康と権利」を尊重し、社会参加を支える国際的な理念としています。
•日本でも企業・自治体・個人の各レベルで取り組みが広がっている。
•栄養・サプリメント、フェムテックの活用は、身近な実践として有効です。
•女性の健康支援は、持続可能な社会・経済の基盤となる。

 

参考文献・参考資料
1.世界保健機関(WHO). Sexual and Reproductive Health and Rights (SRHR), WHO Fact Sheet, 2023.
2.内閣府. 「女性の健康の包括的支援に関する基本方針」(2023年3月).
3.厚生労働省. 「女性の健康週間」公式ページ.
4.経済産業省. 「フェムテック等サポートサービス実証事業」報告書, 2022.
5.神奈川県. 「ME-BYO(未病)対策プロジェクト」, 2024.
6.Shiseido Sustainability Report 2023.
7.North American Menopause Society. Menopause Practice: A Clinician’s Guide, 2022.
8.Ministry of Health, Labour and Welfare (Japan). Health Promotion for Women in the Workplace, 2023.
9.日本女性学会編. 『SRHRとジェンダーの現在』岩波書店, 2022.